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CPUのアーキテクチャ紹介(MIPS) [プロセッサ]

AI用途や5Gを含む次世代ネットワーク処理で今後もCPUへの性能向上は求められ続けると思いますが、そのときに各CPUアーキテクチャでどのような特性が性能に寄与するか、ポイントを絞って簡単に説明してきました。
Intel CPUでの特性はintel CPUの特性に書いてある通り、プログラムのサイズが小さくなること、ARM CPUでの特性はARM CPUの特性で述べている通り、低消費電力や低コスト化に優れている点があります。今回は、最近はあまり見かけなくなりましたが、MIPSアーキテクチャの特性を見てみます。

MIPSアーキテクチャは本格的なRISC(縮小命令セットコンピュータ)のプロセッサとして1980年代に登場したプロセッサです。もともとスタンフォード大学で生まれたプロセッサなので、非常に整理された命令セットを持ち、RISCの理論に忠実に実装されたプロセッサとなっていました。

最初は32-bit CPUが生まれ、1991年には世界初の64-bitプロセッサが誕生しています。このMIPSを特徴付けるのは、とにかく簡素であることです。それがCPUとして設計されたときの回路構成の簡素化に結び付き、非常に小さい低コストなCPUを作ることができました。

ある意味、ARMとは違うアプローチで組み込み用途に適した低コストなCPUを提供できたのですが、ARMが消費電力の削減したのにたいして、MIPSは速度向上や性能向上を目指したプロセッサでした。

しかし、Intelを初めとする他のアーキテクチャが6段以上の多段パイプライン化で見掛けの動作周波数を上げるのに成功したのに対して、動作周波数向上が性能向上に必ずしも結び付かないことを十分アピール出来ず、ハイエンドCPUとしては早期に脱落してしまいました。

一方、ローエンド側では低消費電力の強みを持つARMがぶれずに携帯電話などの携帯機器や電池駆動機器に侵食されて勢いを完全に削がれてしまい、会社としてのMIPS社は今は無くなっています。

ビジネスとしての戦略の稚拙さなど、不運なアーキテクチャではありましたが、簡素なために可能だった高性能実現と、シリコンバレー発祥でUNIXとの相性がよくソフトウェアからの性能向上の助けが得られ、早い段階から64-bit CPUを出すなど、低価格で高性能を実現できるアーキテクチャを実現できたCPU構成となっています。

探してみたら、32-bit CPUですが、まだMIPSのボードはあります。アーキテクチャが良いだけにもったいない存在です。

MIPS 32-bit 24K ボード 4,199円(税込)



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