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CPUのアーキテクチャ紹介(ARM) [プロセッサ]

Intel CPUのアーキテクチャのシステム構築上出てくる特徴についてポイントを絞って非常に簡単にですが、CPUのアーキテクチャ紹介(Intel)で説明してきました。次にARMプロセッサについて簡単に紹介したいと思います。

ARMプロセッサのもともとの特徴は、とにかくCPUコア部分の回路を小さくする、という点に尽きます。
例えば、演算器が直接使う汎用レジスタは他のRISCプロセッサが31~32本用意していたのに比べ、32-bit時代長い間8本しかありませんでした。汎用レジスタの本数が少ないとCPUが演算に使うデータの出し入れにメモリをいちいちアクセスしなければなりません。

汎用レジスタは遅延なしでデータを準備できますが、メモリアクセスでは4サイクル未満の遅延は考えられません。下手をすると数十サイクルあるいはそれ以上CPUを止めるはめになります。このメモリアクセスの性能面でのペナルティは大きく、性能は諦めた方が良いと割りきりが必要なレベルでした。

また、32-bitの乗除算も一回でできない時代が続いていました。これも平気で乗除算をどんどん使ってしまう高級言語を使ってのプログラミングでは大きく性能を落とす要因となります。

ここまで性能を犠牲にするのは訳があるわけで、ARMは回路規模を小さくし、消費電力も抑えることで、電池駆動など電源容量の小さい低価格組み込み機器への利用を想定してアーキテクチャを決めていったと思われます。

実際、その方針でビジネス的に成功して、今ではスマホ向けのアプリケーションプロセッサとしてもデファクトスタンダードのようになってしまいました。

現在は性能の改善も進んでいて、32-bit CPUでも乗除算は32-bitフルにできるようになっていますし、64-bit演算命令も追加され、性能向上に向けた大きな問題はなくなりつつあります。

そのなかでARMの特徴を考えると、Intelに比べ多数の半導体メーカーの多くの製造プロセスで作られ、Intelが得意ではない比較的低消費電力向けの製造プロセスでも比較的簡単に作れるようになっている点があげられます。

結果として、性能向上によって回路的なメリットが小さくなっているにも関わらず、未だに低消費電力向けには強いCPUとなっていると思います。

今後の5G対応を含めたネットワーク処理機能の強化やAI対応で、情報機器のメインCPUの64-bit CPU化は将来的に必須となることでしょう。その内容を理解し、活用していくための題材として、現段階で一番お薦めなのは、しつこいようですが、やはりこのRaspberry Piとなると思います。
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Raspberry Piはもともと教育用から発展しているので、関連資料や情報も多く、比較的トラブルなく使えると思います。

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