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AI向けGPU紹介(NVIDIA) [プロセッサ]

AI処理向けのCPUについて、紹介してきましたが、GPUについても確認していきます。まずNVIDIAについて見ていきましょう。

NVIDIAはGPUのAI処理向けの転用を始めた先駆者ですが、そもそもの始まりは2006年にCUDAコアという汎用演算モジュールを作り、汎用利用できるハードウェア仕様に整備し、積和演算等の演算を並列処理で実行できるようにしたのが最初です。

それがAI処理向けに大きな効果があることが実証され、一気にAI処理ハードウェアを代表する存在となりました。NVIDIAのGPU製品には主に三種類のカテゴリーがあり、データセンター&クラウド(Tesla)、プロフェッショナル・グラフィックス(Quadro)、ゲーミング(GeForce)のそれぞれでAI用途に使えるGPUがあります。

安価で入手しやすく開発用に取っ掛かりとして利用しやすいのがゲーミング向けのGeForceで、データセンターなど大規模に機械学習する必要がある用途にはデータセンター&クラウドのTeslaが使われます。プロフェッショナル・グラフィックスのQuadroは主に開発向けのワークステーション用、という位置付けのようです。

また、深層学習などの機械学習用途には以下のアーキテクチャが導入されています。まずはTesla系列では、以下のアーキテクチャが導入されています。

・2012年 Kepler (K80)
AI向けにリリースされた最初の世代です。K40、K80、K5000、K6000等が該当しますが、さすがに今はあまり見かけません。

・2014年 Maxwell (M40他)
こちらは時々見かけます。また低コストの開発用としてJetson Nano等で採用されています。

・2016年 Pascal (P4 P40 P100)
現役でかなり出ており、PCでの標準的なAI用途ハードウェアとしてはまずこれらが出てきます。

・2017年 Volta (V100)
現行の最上級機種というとこちらになります。最新に近い製造プロセスで最大サイズのチップ仕様となっているので、まだ単品で買おうとしても一台100万円を超えてしまいます。

・2018年 Turing
こちらは2019年春時点では、Tesla系列では製品は出ていないようです。

次にゲーミング用のGeForceですが、特によく出てくるのは
・2016年 Pascal (GTX1080等 TITAN X)
デスクトップで低価格のAI向けマシンを入手しようとするとよくこのGPUが使われます。

・2018 Turing (RTX 2080Ti)
 これは最近出たもので、アーキテクチャが従来とかなり変わっており、AI関連の処理も得手不得手が今までとかなり変わっている可能性があります。各開発環境への適用の可否や引き出せる性能を確認しておきたいものです。

一般的には、本格的な開発向けはP40、P100を使えばかなり性能が期待できます。また、
テスト用、簡単な開発用ではゲーミングの
GTX 1080 TITAN X TITAN Vで十分、と言ったところです。

GPUのハードウェアが無くてもソフトウェアベースでは機械学習用途に使えないことは無いのですが、性能が大きく落ちますので、効果のあるGPUを使用するようにした方が良い、ということになります。

PCのサイトでのAI向け推奨モデルを二機種紹介します。まず、HPのサイトではHP Z4 G4が小規模機械学習処理用として推奨されています。

HPのベストセラーワークステーション。 100GB以下の小規模機械学習処理向け
iconただ、推奨GPUがP5000で1基載せるだけでPCの価格が50万円近くなります。メモリ容量ももっと積まないと性能を発揮しづらいでしょうし、トータル価格としては結構な値段になってしまいます。GPUは電力を消費するので筐体の電源容量も気にする必要があり、じっくり確認して仕様を決めていきたいものです。
次がDELLのサイトの推奨モデルです。

DELL 5820 タワー 推奨モデル 295,980円


一見、こちらの方が安いぞ、となりそうですが、GPUはP1000でHPよりグレードがかなり落ちます。また、メモリもストレージも容量が少なく、どうみても追加が必要そうです。その辺の補強をすると結局似たような値段となってしまうのですが、GPUはP1000で頑張るとして、メモリは様子を見ながら増強したい、という場合は使えそうです。GPUがまだ追加できるのでその意味でも能力増強に対する考え方次第で、こちらを選択する手もあると思います。



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